アガサ・クリスティの短編集『黄色いアイリス』のあらすじ、登場人物、感想、クチコミ評価についてまとめています。
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作品情報
「黄色いアイリス」は、ポアロ物5編、マープル物1編、パーカー・パイン物2編、幻想怪奇物1編の9編が収録された短編集です。
| 発表年 | 1939年 |
| 原題 | Yellow Iris |
| シリーズ | ミス・マープル ポアロ パーカー・パイン |
| ジャンル | ミステリ― |
あらすじ
レガッタ・デーの事件
1936年に発表されたパーカー・パインものの短編です。
＜あらすじ＞
ポインツ氏の宝石「明けの明星」が部屋から忽然と消えた。
疑いをかけられた青年から依頼を受けたパーカー・パインはその謎を解く。
＜登場人物＞
| アイザック・ポインツ | 宝石商 |
| レオ・スタイン | ポインツ氏のビジネスパートナー |
| サミュエル・レザーン | ビジネス上の知人、アメリカ人 |
| イーヴ・レザーン | サミュエル・レザーンの娘、高校生 |
| サー・ジョージ・マロウェー | ポインツ氏の友人 |
レディー・パメラ・マロウェー | ポインツ氏の友人 |
ミセス・ジャネット・ラスティントン | ポインツ氏の友人 |
| イヴァン・ルウェリン | 若い小説家 |
| パーカー・パイン | 人生相談所の探偵 |
バグダッドの大櫃の謎
1932年に発表されたポアロものの短編です。
＜あらすじ＞
パーティーの翌朝、会場となった部屋に置かれていたバグダッドの大櫃（＝チェスト）の中からクレイトン氏の遺体が発見された。
すぐに部屋の主でクレイトン夫妻の友人の男が逮捕されたが、クレイトン氏の妻は彼の無罪を信じ、ポアロに真相解明を依頼する。
| ポアロ | 名探偵 |
| ヘイスティングズ大尉 | ポアロの友人 |
| クレイトン | |
| マーガリータ・クレイトン | クレイトン氏の妻 （男を悩ませる美しい女性） |
| リッチ少佐 | クレイトン夫妻の友人 |
| スペンス夫妻 | パーティーの出席者 |
| カーティス少佐 | パーティーの出席者 |
あなたの庭はどんな庭？
1935年に発表されたポアロものの短編です。
＜あらすじ＞
裕福な老人アミーリア・バロウビーから奇妙な依頼の手紙を受け取ったポアロ。
依頼内容がはっきりと書かれていない手紙に興味を持ったポアロは、秘書のミス・レモンに、依頼を受ける旨の返事を書かせる。
数日後、新聞の消息欄でバロウビーが亡くなったことを知ったポアロは、そ知らぬふりでバロウビーに手紙を送る。
すると、彼女の姪から、もう彼の仕事は必要ないとの返事が届く。老人の死に不審な点を感じたポアロは、バロウビーの家を訪ねるのだった…。
『もの言えぬ証人』に似てる！
| ポアロ | 名探偵 |
| ミス・レモン | ポアロの秘書 |
アミーリア・バロウビー | 依頼人、裕福な老人 |
メアリー・デラフォーンテーン | アミーリアの姪 |
| ヘンリー・デラフォーン | メアリーの夫 |
| カトリーナ・リーガー | アミーリアの付添看護婦 |
ポリェンサ海岸の事件
1936年に発表された、パーカー・パインものの短編です。
＜あらすじ＞
海辺のリゾートで休暇中のパーカー・パイン氏。
同じホテルに滞在中のイギリス人のマダムから、彼女の息子が釣り合わない娘と結婚しようとしているのをやめさせてくれと頼まれる。
| パーカー・パイン | 人生相談所の探偵 |
| ミセス・アディラ・チェスター | 母 |
| バズル・チェスター | 息子 |
| ベティー・グレッグ | 若い娘 |
| ミス・ラモナ | 異国的な美貌の女性 |
| マドレーヌ | パイン氏の相談所の社員 |
黄色いアイリス
1937年に発表されたポアロものの短編です。
本作を基に長編『忘られぬ死』が執筆されています。
＜あらすじ＞
ポアロの元に、ひどく差し迫った女性の声で『大変な危機が迫っている』と訴える電話がかかってくる。
ポアロは急いで指定されたレストランへ向かうが、依頼人と思われる女性は見当たらない。
依頼人が指定した "黄色いアイリスを飾ったテーブル" では、アメリカ人の実業家バートン・ラッセル氏が彼の妻を偲ぶ晩餐会を催していた。
| ポアロ | 名探偵 |
| バートン・ラッセル | アメリカ人の実業家 |
| ポーリーン・ウェザビー | ラッセル氏の義妹 |
| アントニー・チャペル | ポーリーンの恋人 |
| ローラ・ヴァルデス | ダンサー |
| スティーヴン・カーター | 外交畑の男 |
ミス・マープルの思い出話
1939年に発表された、マープルものの短編です。
＜あらすじ＞
ミス・マープルは甥のレイモンドに自分がかつて解決したある事件の思い出話をする。
その事件は、部屋への出入りが無かったことを複数のホテルの滞在客が目撃しており、夫以外に犯行は不可能だと思われた。
しかし、ミス・マープルは依頼人から話を聞いただけで真犯人を言い当てる…。
| ミス・マープル | 洞察力に優れた老嬢 |
| ペサリック | 弁護士 |
| ローズ | 依頼人、容疑者 |
| ミセス・ローズ | ローズ氏の妻、被害者 |
| メアリー・ヒル | ホテルの部屋付きのメイド |
| ミセス・グランビー | ホテルの滞在客、未亡人 |
| ミス・カラザーズ | ホテルの滞在客、独身女性 |
仄暗い鏡の中に
1934年に発表された、幻想怪奇物の短編です。
＜あらすじ＞
| 私 | 主人公 |
| ニール・カーズレーク | 親友 |
| アラン・カーズレーク | ニールの弟 |
| シルヴィア・カーズレーク | ニールの妹 |
| チャールズ・クローリー | シルヴィアの婚約者 |
| デリク・ウェインライト | ハンサムで機知に富んだ男 |
船上の怪事件
1936年に発表されたポアロものの短編です。
＜あらすじ＞
エジプトへの船旅を楽しんでいるポアロ。
| ポアロ | 名探偵 |
| ミス・エリー・ヘンダーソン | |
| ジョン・クラパートン大佐 | |
| ミセス・クラパートン | 妻 |
| キティ・ムーニー | 少女 |
| パメラ・クリーガン | 少女 |
二度目のゴング
1932年に発表されたポアロものの短編です。
＜あらすじ＞
横領の調査を依頼されたポアロ。
しかし、屋敷に到着すると依頼人は亡くなった直後だった。
依頼人は自殺か？それとも…？
『死人の鏡』に似てる！
| ジョーン・シュビー | ハリーの友人 |
| ハリー・デールハウス | リッチャム・ロシュ氏の甥 |
| ジョフリー・キーン | リッチャム・ロシュ氏の秘書 |
| リッチャム・ロシュ | 変わり者の老人 |
| ダイアナ・クリーヴズ | リッチャム・ロシュ氏の養女 |
| ミセス・リッチャム・ロシュ | リッチャム・ロシュ氏の妻 |
| グレゴリー・バーニング | リッチャム・ロシュ氏の友人 |
感想
※ネタバレの内容を含みますので未読の方はお気を付けください。
サクッと読めるお手軽な短編集でした。
初心者向けというよりは、クリスティの長編を読みつくしたファン向けかと思います。
個人的に一押しは、幻想怪奇物の『仄暗い鏡の中に』です。
まとめ
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