【名探偵ポアロ 9】「三幕の殺人」★★★☆☆

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「三幕の殺人」のあらすじ、登場人物、感想及び原作とテレビドラマ版の違いなどをご紹介します。


作品情報


名探偵ポアロシリーズ9作めにあたる「三幕の殺人」はアガサ・クリスティが1934年に発表した長編推理小説です

タイトル通り演劇を意識した構成となっています。
第1幕「疑惑」、第2幕「確信」、第3幕「真相」とストーリーが展開されます。

発表1934年
英題Three Act Tragedy
ポアロシリーズ第9作
ジャンルフー&ホワイダニット


あらすじ


俳優業を早々に引退し、コーンウォールの小さな町で悠々自適な田舎暮らしを送るチャールズ。
チャールズが友人・知人を招いたパーティで、カクテルを飲んだ後に牧師が急死する。

牧師のカクテルから毒物などは検出されず、誰かに恨まれるような人物でもなかったことから自然死と思われた。

しかし、それから数週間後に開かれたパーティで牧師と同じように亡くなり、毒殺であることがわかった。

二つの死に関連があると考えたチャールズ、エッグ、サタースウェイトの3人は、事件の解明に乗り出す。

登場人物


「三幕の殺人」の登場人物一覧です。

エルキュール・ポアロ私立探偵
チャールズ・カートライト元俳優
サタースウェイト富豪で美術・芸術のパトロン
"持ち手が二つ付いた乾いた小さなシチュー鍋を連想させる男"
バーソロミュー・ストレンジ
(トリー)
医師
神経疾患の専門医
ミス・ミルレー

チャールズの秘書
(驚くほど不美人で長身)

アンジェラ・サトクリフ
(アンジ―)

有名女優

フレディ・デイカズ

大尉
競馬好き

シンシア・デイカズ

フレディの妻
高級ブティックの経営者

ウィルズ
(アンソニー・アスター)

脚本家

スティーヴン・バビントン

チャールズが住む町の牧師

マーガレット・バビントン

牧師の妻

メアリー・リットン・ゴア

55歳の未亡人

ハーマイオニー・リットン・ゴア
(エッグ)

生命力溢れる魅力的な娘

オリヴァー・マンダーズ

エッグの幼なじみ


舞台

コーンウォールのルーマス

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ココが面白い

『三幕の殺人』は一言で表すと「」です。

ここから先はネタばれの内容を含みますので未読の方はご注意ください

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クリスティの作品を何冊か読むとわかってくるのですが、俳優が犯人であることが多いです。
そのことを念頭に置いていたにもかかわらず、2度目のパーティの参加者でないことからチャールズを犯人から除外していました。

ポアロの生い立ち
ポアロの生い立ちが語られます。

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サタースウェイト
サタースウェイト氏はクリスティの別の作品『謎のクィン氏』の主人公です。

"持ち手が二つ付いた乾いた小さなシチュー鍋を連想させる男"

ドラマ版(2005年)の感想

原作を読み終わってすぐにU-NEXTでデヴィッド・スーシェ主演のドラマ版を見ました。

<作品情報>

製作2010年
エピソードNo.シーズン12 第2話
キャストチャールズ・カートライト(マーティン・ショウ)
エッグ(キンバリー・ニクソン)
時間

89分

配信情報

U-NEXT(定額見放題)

三幕の殺人を見る

ドラマは舞台の幕が上がるシーンから始まります。
原作では50代くらいの設定でしたが、ドラマ版のチャールズはおじいさんに近い年齢でした。
エッグは20歳くらいの設定だったので、傍から見るとおじいさんと孫娘状態です。
エッグは物心つく前に父親を亡くしてるからファザコン気味なのかもしれません。

原作とドラマの違い
キャストの年齢と以下の点を除けば、ほぼ原作通りの設定でした。
素人探偵団の一人であるサタースウェイト氏の役どころはポアロが兼任していました。

・サタースウェイトが登場しない


原作ではチャールズのサイコパス感が強く、さらっと終わるのですが、ドラマは演出過剰でメロドラマ色が強く打ち出されていました。
私はどちらかというとドラマ版よりも原作の方が好きです。

書籍情報


2022年現在、「三幕の殺人」の日本語版は※種類あります。


① クリスティー文庫版(ハヤカワ文庫)

翻訳:長野きよみ

引退した俳優が主催するパーティで、老牧師が不可解な死を遂げた。数カ月後、あるパーティの席上、俳優の友人の医師が同じ状況下で死亡した。俳優、美貌の娘、演劇パトロンの男らが事件に挑み、名探偵ポアロが彼らを真相へと導く。ポアロが心憎いまでの「助演ぶり」をみせる、三幕仕立ての推理劇場。新訳で登場。(Amazonより)発売日2003/10/15


② 電子書籍版(グーテンベルグ21)
翻訳:赤冬子

ダンディな元舞台俳優が海辺の邸宅で催したパーティで、招かれた土地の牧師がカクテルを飲んだとたんに急死した。招待客の一人だったポワロにも「事件」とは思われなかった。だが悲劇には第二幕が。まったく同じような状況での同じような急死……灰色の脳細胞が活動を開始する。クリスティ中期の代表作。(Amazonより)


なお、「三幕の殺人」はKindleUnlimitedの読み放題対象作品です(2022年3月時点)。
赤冬子さんの翻訳の方が自然に感じられて私は好みでした。



作者


アガサ・クリスティ(1890~1976)

作者のアガサ・クリスティは1920年に『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビューを果たし、1926年に発表した『アクロイド殺し』の常識破りのトリックがミステリファンの間でフェアかアンフェアかの大論争を招き一躍有名になりました。

作品の多くは世界的なベストセラーとなり、ギネスブックによって"史上最高のベストセラー作家"に認定されています。



まとめ


アガサ・クリスティの『三幕の殺人』を紹介しました。

Amazonが提供するkindleUnlimitedの読み放題対象作品でもあるので、興味のある方はぜひ読んでみてください!