★★★★☆ 文系には意味不明でつまらない?「TENET」

TENET感想
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本記事では、2020年に公開され、その超絶難解ぶりが話題になったクリストファー・ノーラン監督最新作の「TENET(テネット)」について紹介します。


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あらすじ

主人公の “名もなき男“ に課せられたミッションは、第三次世界大戦を止めること。
キーワードは〈TENET(テネット)〉。

感想

物理学の基礎知識があると割と楽しめるようですが「文系出身で物理学の知識ゼロ」の私が初見でどれくらい楽しめるのか、自分を試してみたい気持ちで鑑賞しました。

「エントロピー」というワードで早々につまずきましたが、研究所のお姉さんが『考えないで感じて』と言ってくれたので、そうさせてもらいました。
それ以降はしばらくそんなに難解なシーンもなくて、『意外といけるかも』なんて油断したのですが、セイターとのカーチェイスのシーンでおぼつかなくなり、キャットが撃たれた辺りで完全に置いていかれました。
そこからはもう、ジェットコースターに乗っているかのような感覚で目まぐるしい展開を追うのに必死でした。

終盤でニールからある程度の種明かしがされますが、それでもなんだかしっくりこない居心地の悪さが残りました。
その原因を考えてみたところ、「時間の逆行」の仕組みに気を取られがちですが、そもそも、ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる「名もなき男」が何者なのか、よく分からないままストーリーが進むんです。最後まで名前もわからないまま終わります。
逆行の仕組みは何度か観るうちに理解できるかもしれませんが、名もなき男については永遠に謎が残りそうです。

ニール

ニール良い奴でしたね。「素晴らしい友情の終わりだ」と言って去っていくシーンが一番好きです。2周めはニールの登場シーンで号泣の予感です。
TENETを観て、ニールに「イルマーレ」のキアヌ・リーヴスの重ねるのは私くらいかもしれません。タイムトラベルもの特有の『自分は相手をよく知ってるのに、相手は自分の事を知らない』切なさが好きなんです。

TENET(テネット)名言

印象に残ったセリフをいくつかご紹介します。

その1

We live in a twilight world.
(黄昏に生きる)

At there are no friends at dusk.
(宵に友なし)

その2

Don’t try to understand it. Feel it.
(頭で考えないで。感じて。)

ブルース・リー主演映画『燃えよドラゴン』の名セリフ「Don't think! Feel.(考えるな!感じろ。)」へのオマージュでしょうか。

その3

“What’s happened’s happened.“
(起きたことは仕方ない。)

その4

For me, I think this is the end of a beautiful friendship.
(僕にとってこれは素晴らしい友情の終わりだ。)

But for me,it’s just the beginning.
(俺には始まったばかりだ。)


「君の瞳に乾杯」の名セリフ往年の名作『カサブランカ』のラストシーンで、かつての恋人を見送った主人公が『I think this is the beginning of a beautiful friendship』と言い、去っていく姿を思い起こさせる台詞です。

結局、面白い?

映画のストーリー自体が面白いかと言われると初見の感想では、正直言って微妙ですが、私にとって知的好奇心を刺激する映画ではありました。
鑑賞中に気になることや疑問をメモして、映画の内容について「他の人と答え合わせがしたい」「理解したい」という気持ちが高まり、「もしかして、こういう解釈もできるかもしれない…。」見終わった後もずーっと楽しめて、自分の中に「残る」作品です。

『メッセージ』と同じ哲学系SFに分類してよいと思います。

評価

海外での評価


・英語圏最大手の映画評価サイトRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)70%

IMDb(インターネット・ムービー・データベース)7.4/10点

低くはないものの高評価には一歩及ばないものとなっています。

日本での評価

主要なクチコミサイトの点数は以下の通りです。
・Filmarks:4.0/5
・Yahoo映画:3.68/5

低評価のコメント

・「難解」ではなく明らかな「説明不足」

・設定は斬新だがテーマに深みがない


高評価のコメント

・伏線回収が気持ちいい

・理解できないのに面白い

・何かすごいものを観ているなという感覚

・これを考え付く監督がすごい




まとめ

普通の映画はもう見飽きて、新しい映画体験がしたい人や知的好奇心をくすぐられる映画を探している人にはとてもおすすめの映画です。