「ひらいたトランプ」のあらすじ、登場人物、感想及び原作とテレビドラマ版の違いなどをご紹介します。
作品情報
「ひらいたトランプ」は名探偵ポアロの13冊目にあたる長編小説です。
タイトル通り、トランプが事件の真相を明らかにする鍵となります。
クリスティの他作品のキャラが登場するクロスオーバー作品でもあり、オリヴァ夫人(「パーカー・パイン登場」等)、バトル警視(「チムニーズ館の秘密」「ゼロ事件へ」等)、レイス大佐(「茶色の服の男」等)が登場します。
発表 | 1936年 |
英題 | Cards on the Table |
ポアロシリーズ | 第13作 |
ジャンル | どんでん返し |
あらすじ
ポアロはロンドン社交界の謎多き富豪シャイタナ氏から、ある趣向を凝らしたパーティに招待される。
パーティに招待されたのは8人。彼らは2部屋に分かれてブリッジのゲームを始めるが、シャイタナ氏はポアロとは別の部屋でブリッジの様子を眺めていた。
夜が更け、ポアロたちが帰ろうとするとシャイタナ氏がナイフで刺されているのが発見される。
同じ部屋にいた4人はブリッジに夢中になっていて気付かなかったようだ。
捜査や推理を生業とするポワロら4人は共同捜査に乗り出す。
登場人物
「ひらいたトランプ」の登場人物一覧です(登場順)。
エルキュール・ポアロ | 私立探偵 |
シャイタナ | 富豪 芸術を愛する収集家 |
アリアドニ・オリヴァ | 女流推理作家 |
バトル警視 | ロンドン警視庁の警視 |
レイス大佐 | 諜報局員 日焼けして整った顔立ちの50代 |
ドクター・ロバーツ | 開業医 禿げかけていてやや肥り気味の中年男性 |
ロリマー夫人 | 身なりの良い60過ぎのおばあさん |
デスパード少佐 | 痩せた背の高い美男 |
アン・メレディス | 二十歳を越えたばかりの綺麗な娘 臆病で内気 |
ローダ・ドーズ | アンの親友 |
『ひらいたトランプ』の感想・評価まとめ
・ブリッジを知っていたらもっと楽しめたと思う
・派手なトリックはないけど登場人物が豪華
・疾走感のある終盤の展開が素晴らしい
『ひらいたトランプ』のおすすめポイント
本作は冒頭で容疑者は4人とも過去に殺人を犯した人物であることが明かされます。
そのため4人のうち誰かが犯人であることは最初からわかっているのですが、ポアロは4人それぞれの性格や行動パターンからシャイタナ殺しの犯人を見つけ出そうとします。
単純な犯人捜しとはまた違った面白さがあるのが特徴です。
また、本作の探偵役はクリスティの他作品で登場する人物達でクリスティファンにとってはオリヴァ夫人とレイス大佐、バトル警視が一か所に集まって共同で捜査を進めるというシチュエーションは何ともワクワクします。
ドラマ版の感想
原作読了後にU-NEXTでデヴィッド・スーシェ主演のドラマ版を見ました。原作とはかなり違う設定になっていて戸惑いました。
ドラマ版あらすじ
ポワロと作家のミセス・オリヴァは、シェイタナ氏からディナーに招かれる。
ゲームを楽しんだポワロたちが、帰りの挨拶で居眠りをしているシェイタナに声をかけると、驚くことに彼はナイフで胸を刺され息絶えていた。
捜査や推理を生業とするポワロら4人は捜査を開始する。
ポワロは生前のシェイタナの言葉から、招待客の中に疑われもせず生きてきた殺人犯がいると考える。
タイトル | ひらいたトランプ |
製作年 | 2005年 |
エピソードNo. | シーズン10 :第2話 |
キャスト | オリヴァ夫人(ゾーイ・ワナメイカー) アン・メレディス(リンゼイ・マーシャル) ロバーツ医師(アレックス・ジェニングス) |
時間 | 93分 |
配信情報 | U-NEXT(定額見放題) ひらいたトランプを見る |
原作とドラマの違い
原作とドラマの主な違いは次のとおりです。
・バトル警視とレイス大佐が登場しない
・ラクスモア教授の死の真相
・アンとロリマー夫人が母娘
・ドクター・ロバーツが同性愛者
・アンとローダの関係性
・溺死するのがアンでなくローダ
・ロリマー夫人の健康状態
・ロリマー夫人が死なない
バトル警視とレイス大佐が別の人物に置き換えられている時点でクロスオーバー作品の魅力ゼロ。
デスパード少佐も原作では魅力ある人物だったのに、ドラマでは影が薄かったです。
まとめ
アガサ・クリスティの『ひらいたトランプ』を紹介しました。
原作小説とドラマでは犯人こそ一緒ですが、設定は大きく異なっているので原作とドラマの違いを比較しながら見るのも面白い作品です。
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