【名探偵ポアロ 22】切なくて泣ける「ホロー荘の殺人」★★★★★

アイキャッチ_ホロー荘の殺人
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アガサ・クリスティの長編ミステリー小説「ホロー荘の殺人」のあらすじ、登場人物、感想及び原作とテレビドラマ版の違いなどをご紹介します。

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作品情報


「ホロー荘の殺人」は名探偵ポアロシリーズ22冊目の長編ミステリです。

謎解き要素よりも人間ドラマに主眼が置かれており、ファンからは賛否両論で意見が真っ二つに分かれる異色の作品となっています。

発表1946年
原題The Hollow
ポアロシリーズ22番目
ジャンルミステリ


アンカテル卿の午餐に招かれたポアロは、少なからず不快になった。邸のプールの端で一人の男が血を流し、傍らにピストルを手にした女が虚ろな表情で立っていたのだ。が、それは風変わりな歓迎の芝居でもゲームでもなく、本物の殺人事件だった!恋愛心理の奥底に踏み込みながら、ポアロは創造的な犯人に挑む。(Amazonより)発売日2003/12/1



あらすじ

アンカテル夫妻が住むホロー荘には親類や友人が集まっていた。
昼食に招待されたポワロが到着すると、プール脇に男が血を流して倒れており、そばには銃を持った女性が虚ろな表情で立ち尽くしていた。

芝居じみた光景であることから、ポアロを驚かせるための悪趣味なイタズラかと思ったが、男は本当に撃たれていた。
そして、『ヘンリエッタ…』と言う言葉を残し亡くなった。
その後、殺人に使われたのは別の銃だと判明し…。

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登場人物


「ホロー荘の殺人」の登場人物一覧(登場順)です。

ルーシー・アンカテル
(アンカテル夫人)
60歳を越えてなお魅力的な妖精のような女性
頭の回転が早すぎて突拍子もない事を言う
ヘンリー・アンカテル

ルーシーの夫
政府高官

ミッジ・ハードカースルルーシーの従妹
ブティック店員
ヘンリエッタ・サヴァナクルーシーの従妹
彫刻家
美人で優しくなんでもそつなくこなす
ジョン・クリストウ医師
40歳
ガーダ・クリストウ愚図で頭が鈍くてあまりきれいでない
夫のジョンを盲目的に崇拝
エドワード・アンカテル優しくて内気で繊細な青年
子供の頃からヘンリエッタが好き
デイヴィッド・アンカテルルーシーの従妹の子
複雑な家庭で育ち皮肉っぽい
ガジョンアンカテル家の忠実な執事
ヴェロニカ・クレイハリウッド女優
ジョンの元恋人
利己的な性格
エルキュール・ポアロ私立探偵


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「ホロー荘の殺人」の感想・クチコミ・評判まとめ

・ミステリというより群像劇

・謎解き要素が薄い

・ミステリが読みたかったので面白くなかった

・動機がいまひとつ理解できない

・事件そのものはクリスティにしては地味

・恋愛小説のよう

・トリックよりも登場人物の心理描写を楽しむ作品

人間ドラマが面白かったという意見と、謎解きやトリックを楽しみたかったのに期待外れだったとの意見に二分されています。
このほか、ポアロの活躍があまり多くないことを残念に思う声も多く見受けられました。


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感想

『ホロー荘の殺人』には、派手なトリックも無ければ、ポアロとヘイスティングズの楽しいやり取りもありません。
その代わり、登場人物の内面描写に重きが置かれ、読み終えた後もほろ苦い余韻が残る群像劇です。

犯人やトリックを推理するのが好きな人は少々味気なく感じる一方で、クリスティが得意とする生き生きとした人物描写や人間ドラマを好むファンからは絶大な支持を得ている作品でもあります。


ここから先はネタバレの内容を含みますので未読の方はお気を付けください。

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ジョンは最期に何を思ったのかがとても気になります。
ポアロによれば
"あのときの博士の声は、患者の命にかかわる手術をしている医者が、一刻の猶予も許さない、鋭い声で『鉗子』と言うときのように生き生きとした意識のある声" "切迫した調子"
ということですが、ジョンが何を言おうとしていたかは結局書かれていないので、読者としてはあれこれ想像を膨らませるしかありません。


なお、本作『ホロー荘の殺人』が好きな人は、同じくポアロシリーズの『杉の柩(ひつぎ)』も気に入ると思いますので、ぜひそちらも読んでみてください。


 

ドラマ版「ホロー荘の殺人」

原作への忠実度   ★★★★☆
キャスティング   ★★★★☆
舞台・ロケーション ★★★★★
演出        ★★☆☆☆

 

<ドラマ版のあらすじ>
週末を過ごしに田舎へとやって来たポワロは、旧知のアンカテル夫妻が住むホロー荘へ招かれる。
そこにはアンカテル家の親類が集まっていた。

 

タイトルホロー荘の殺人
製作年2000年
エピソードNo.シーズン9 :第4話
キャストエルキュール・ポワロ(デヴィッド・スーシェ)
時間

93分

配信情報

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ホロー荘の殺人を見る


ドラマ版の感想
原作では「あまり美しくない」とされていたガーダが幾分可愛らし過ぎたのと、ジョンが金髪じゃなかったことを除けばキャスティングは原作のイメージ通りでした。

登場人物たちの内面描写が難しいのはしょうがないとしても、不倫の描写が原作の持つ上品なイメージを損ねていて残念です。

ヘンリエッタが『ジョンは高潔な人だった』と言っても、全く説得力がありません。
この不倫描写さえなかったら満点評価にしたと思います。

また、尺的に仕方ないかもしれませんがエドワードのガスオーブンのくだりもカットされているので、「ヘンリエッタに振られたからミッジと結婚した」ようにしか見えないのが残念です。

終わり方は原作とちょっと違っていましたが、あれはあれでよかったかなと思います。


原作ではドラマで描き切れなかった登場人物たちの内面描写が細かくなされるので、まだ原作を読んでいない人は是非読んでみてください。



「ホロー荘の殺人」は名探偵ポワロ ニュー・シーズンDVD-BOX1に収録されています。

英国2003年制作、「名探偵ポワロ」第9シーズンの全4話をDVD化!第32巻『五匹の子豚』第33巻『杉の柩』第34巻『ナイルに死す』第35巻『ホロー荘の殺人』


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まとめ

クリスティの生き生きとした人物描写や情緒表現が存分に発揮された「ホロー荘の殺人」を紹介しました。

アンカテル卿の午餐に招かれたポアロは、少なからず不快になった。邸のプールの端で一人の男が血を流し、傍らにピストルを手にした女が虚ろな表情で立っていたのだ。が、それは風変わりな歓迎の芝居でもゲームでもなく、本物の殺人事件だった!恋愛心理の奥底に踏み込みながら、ポアロは創造的な犯人に挑む。(Amazonより)発売日2003/12/1


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