本記事では、2021年6月16日にNetflixで独占配信が開始されたNetflixオリジナル作品初のロシア映画「シルバー・スケート」をご紹介します。
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基本情報
「シルバー・スケート」はNETFLIXで配信が開始されるとともに、口コミで「<ロシア版>ロミオとジュリエット」、「<ロシア版>タイタニック」と話題になりました。
製作 | 2020年 |
監督 | ミハイル・ロックシン |
時間 | 2時間10分 |
評価 | Filmarks:4.0/5点 |
あらすじと登場人物
あらすじ
舞台は19世紀末のロシア・サンクトペテルブルク。冬になると川や運河は氷で覆われ、人々はスケートで行き来します。
18歳のマトヴェイは街灯の点灯夫をする父と二人で暮らしています。
ピローグ(パイ)の配達員として働いていましたが、貴族の通行のために道路が封鎖されたせいで配達が遅れ、理不尽にも仕事をクビになってしまいます。
途方に暮れていた時、スケート技術を見込まれて裕福なブルジョワから金品を盗む窃盗団に誘われます。
盗みは悪いことと悩みながらも、肺結核を患う父親の治療費を稼ぐため窃盗団に加わってしまいます。
まずは度胸試しにと忍び込んだ貴族の屋敷で令嬢のアリサと出会います。
変装して皇室スケートクラブの氷上舞踏会に忍び込んだマトヴェイは、そこでアリサと再会します。
アリサはマトヴェイに対し、盗みを働いたことを黙っていてあげる代わりに、翌日、ある場所へ来るようにと脅します。
アリサは化学に興味を持ち、学校へ通いたいと父親に懇願しますが「結婚こそが女性の幸せ」で、女性は教育が受けられないのが当たり前という中、聞く耳すら持ってもらえません。そこで、マトヴェイに夫のふりをさせ、学校に入学しようとしたのです。
マトヴェイが字を読めなかったせいで入学は失敗に終わってしまいますが、『科学者になれば知識で世界を変えられる』というアリサの勉学への思いを知り、二人の距離は少しずつ近づいていきます。
その頃、アリサの婚約者であるトルベツコイ公爵が窃盗団の摘発に乗り出そうと「スピードスケート警官隊」を組織し、窃盗団はじりじりと追い詰められます。
一方のアリサは、「資本論」を読んでいるところを父親に見つかり、家庭教師も仲のいいメイドもすべて取り上げられます。
父が決めた相手と結婚させられそうになったアリサは家を逃げ出し、教育が受けられるパリを目指そうとしますが…。
登場人物(キャスト)
マトヴェイ(ヒョードル・フェドートフ)
アリサ(ソーニャ・プリス)
貴族の娘。占いやまじないを信じる周囲に対し、自分は運命なんて信じない、と言う。
アレックス(ユーリー・ボリソフ)
窃盗団のリーダー格。
トルベツコイ(キリル・ザイツェフ)
お金と出世にしか興味がなく、アリサの財産を狙っている。
スピードスケート舞台を組織し、窃盗団の摘発に乗り出す。
感想・評価
ロシア映画ってどうなのかな?と少し心配でしたが、冒頭のピローグを焼き上げる長回しのシーンとハリーポッターっぽい音楽で一気に「シルバー・スケート」の世界に魅了されてしまいました。
また、ヒロインがただ美しいだけではなく、自分の意志をしっかり持った芯の強い女性というのは最近のディズニー映画「アラジン」などでも見られる傾向ですが、カエルの解剖までしてしまう理系女子というのはかなり新鮮でした。
スケートアクション
カーリングのような連携プレーを駆使した氷上市でのスリの様子や、アイスホッケーのような“スピードスケート警官隊“とのやり取りは迫力がありました。
アレックス
窃盗団のリーダー的存在で、マトヴェイを窃盗団にスカウトしたアレックス。
謎の多い人物で、劇中で彼の生い立ちが語られることはありませんでした。
しかし、品のある立ち居振る舞いやマルクス主義に傾倒している様子からはどこか育ちの良さが感じられました。
マトヴェイについては、劇中のアリサとのやり取りで字が読めない事がわかっていますが、アレックスはアリサに「資本論」の本をプレゼントしていることもあり、字が読めるだけでなく教養も高いことが想像できます。
アレックスが実現したかったことは何だったのかとても気になる最期でした。
冒頭に出てくるあのお菓子は…?
映画の冒頭シーンで作られ、マトヴェイが運んでいたお菓子は何だろうと気になりませんでしたか?
あれは「ピローグ」というロシアの伝統料理で、お祝い事や人が集まる時には欠かせないようです。
それぞれのお祝いごとに特別なピローグがあり、生地や具、形も大きさも味も異なります。
ネット上の感想
美しい映像を劇場の大きなスクリーンで見たかったという声をたくさん見かけました。
まとめ
「シルバー・スケート」という映画を通して19世紀末のロシアの時代背景や暮らしぶりを知り、今まであまり興味のなかったロシアという国が身近に感じられるようになりました。
恋愛映画が見たい、美しい映像を堪能したい、という方だけでなく、映画で外国の文化に触れたいと考えている方にもおすすめの作品です。