ケイト・アトキンソン作の長編小説『ライフ·アフター・ライフ』のあらすじ、感想や映像化、続編の情報をお知らせします。
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作品情報
『ライフ・アフター・ライフ』はイギリスの女性作家ケイト・アトキンソンの長編小説です。
発表年 | 2013年 |
原題 | Life After Life |
ジャンル | タイムループ、歴史改変SF |
あらすじ
ある時はスペイン風邪で、またある時は海で溺れて、フューラーと呼ばれる男の暗殺を企てて、ロンドン大空襲で…。
何度も何度も生まれては死亡する、やりなおしの繰り返し。
かすかなデジャヴュをどこかで感じながら、幾度もの人生を生きるひとりの女性の物語。
登場人物
『ライフ・アフター・ライフ』の主要登場人物一覧です。
アーシュラ・ベレスフォード・トッド | 主人公 |
ヒュー | アーシュラの父 |
シルヴィ | アーシュラの母 |
モーリス | アーシュラの兄 |
パメラ | アーシュラの姉 |
テディ | アーシュラの弟 |
ジミー | アーシュラの弟 |
ブリジット | メイド |
ミセズ・グローヴァ | 料理人 |
イゾベル(イジ―) | アーシュラの叔母(ヒューの妹) |
ミリ―・ショークロス | アーシュラの親友 |
ナンシー・ショークロス | ミリ―の妹 |
フレッド・スミス | 肉屋の少年 |
ケレット先生 | 精神科医 |
ミス・ウルフ | 防空巡視員のリーダー、元看護婦長 |
感想・クチコミ・評判まとめ
・SF小説は本来苦手だけどこれはよかった
・日常の細部の描写が良いので飽きない
・大河のような大作
・歴史小説の趣もあり読み応え抜群
感想
※ネタバレの内容を含みますので未読の方はお気を付けください。
ループものが好きで手に取った作品ですが、SFの枠を遥かに超え、激動の時代を生きた一人の女性の人生の物語にすっかり夢中になってしまいました。
二度の世界大戦という大変な時代が舞台ですが、感情的にならない淡々とした描写や主人公の父や弟テディなどの愛すべき登場人物たちのおかげで、不思議と暗い気持ちにはなりません。
ちょっとした選択の違いで、全く異なる未来が待っているというのはループもの特有の面白さですが、
本作を読むと、人生はいかに危険に満ちていることか(特にこの時代の女性)と思わずにはいられません。
主人公は、微かなデジャヴュをたよりに少しずつ人生を切り拓いていきます。
スペイン風邪の攻略法は思わず笑ってしまいました。
また、英国の中流家庭に生まれた主人公の、幼少期の幸福な日常や、過酷な戦争体験が丁寧に描かれるのも本作の魅力です。
主人公がなぜ人生を何度もやり直すのか、その目的などは明らかにされませんが、作中で弟のテディが言った通り『正しく生きられるようになるまで、何度も繰り返す』が一応、一つの答えかなと感じました。
映像化について
「ライフ・アフター・ライフ」は、2022年にイギリスでテレビドラマ化されています。
主人公アーシュラを演じるのは映画『ラストナイト・イン・ソーホー』や『ジョジョ・ラビット』で大注目の若手女優トーマシン・マッケンジーです。
残念ながら日本では配信されていないようですが、トーマシン・マッケンジーは日本でも非常に人気のある女優なので配信される日もそう遠くないかもしれません。
続編について
本作の主人公アーシュラの弟・テディが主人公の続編が存在します。
タイトルは『A God in Ruins』(直訳すると"廃墟の神")で、残念ながら2023年3月時点で日本語版は出版されていません。
kindleでも購入できるので、原文で読めるぞ!という方はぜひ読んでみてください。
まとめ
ケイト・アトキンソンの長編小説『ライフ・アフター・ライフ』をご紹介しました。