★★★ 中国長編アニメ「紅き大魚の伝説」あらすじ・評価

bigfish&begonia
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『紅き大魚の伝説』は、2016年に中国で劇場公開された長編アニメーション映画です。

アメリカ、イギリスでも公開されましたが、日本では劇場公開はされず、NETFLIX限定配信となっています。
本記事では、「紅き大魚の伝説」のネタバレなしのあらすじ、評価、感想などをご紹介します。





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作品情報

製作2018年
原題大魚海棠
監督梁旋(リャン・シュエン)
張春(チャン・チュン)
時間100分
評価

Filmarks:3.5/5点
RottenTomatoes:91%
IMDb:7.1/10

あらすじ

海の底深くにある世界。そこには、人間の魂と自然の摂理を司る、神でも人間でもない者達が住む。
十六歳になると、自分たちが司る自然の摂理を自分の目で確かめるため、赤いイルカの姿となり人間の世界に送られる。

初めて目にする人間の世界はチュンの目にとても美しかった。
最後の7日目。海底の世界へと通じる渦潮を前に、チュンは仕掛けの網にかかり身動きが取れなくなっていたところを青年に助けられる。
しかし青年は、暴れたチュンの尾にはじかれて渦飲まれ、海底で息絶える。
チュンは助けてもらった恩を返すため、自らの寿命の半分と引き換えに魂の番人と取引をする。青年を生き返らせるには、青年の魂が姿を変えた小魚を大魚になるまで育てる必要があるという。しかし、それは自然の摂理に反する禁忌だった…。
事情を知った幼馴なじみのチウとともに、密かに「クン」と名付けた小魚を育てるが、クンが大魚へと育つにつれ、海底の世界には災いが起き始める…。

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登場人物(声優)

椿(チュン)…雨宮天
主人公。海棠の成長を司る。

チウ(湫)…千葉翔也
チュンの一つ上の幼なじみ。秋風を司る。


クン(鯤)…
チュンを助け命を落とした少年。のちにチュンに引き取られ、クンと名付けられる。


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「紅き大魚の伝説」を見るには?

AmazonPrimeビデオやU-NEXTなどの動画配信サービスでの配信はありません。
また、レンタルやDVD販売もされていないため、日本国内で「紅き大魚の伝説」を見る方法は現在のところNETFLIXのみとなっています。

評価

以下は作品のネタバレになるような内容を含む感想、解説を書いていますので未鑑賞の方はお気を付けください。

海外での評価

英語圏最大手の映画評価サイトRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)では、トマトメーター91%で高評価を受けています。

※トマトメーターが75%以上だと高評価

日本での評価

主要なクチコミサイトの点数は以下の通りです。
Filmarks:3.5

ジブリ作品に似ているなどの意見も見られますが、概ね好意的な意見が多い印象でした。

低評価のコメント

・設定が複雑で初見では理解しきれない

・世界観の説明がもう少し欲しい

・主人公が自己中心的で好きになれない

・ジブリっぽい既視感

高評価のコメント

・個人的にはジブリを超えた

・魅力的なキャラが多い

・全シーン圧倒的に美しい

・中国独自の味付けをされた世界観設定が新鮮

・チウが最高




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感想

中国のSF大作『流転の地球』を先に見て、最近の中国映画の質の高さは理解していたつもりですが、「さすがにアニメはまだまだ日本が上」…と思っていたら足元をすくわれた気がしました。
全編にわたって映像が綺麗なのはもちろん、ディテールの作り込みも丁寧で、見る度に新たな発見があります。
個人的に神話や古典を下敷きにしたファンタジーが好きなこともあって世界観も良かったです。

序盤こそ『千と千尋の神隠し』のような世界観だなあと感じたものの、世界観はこれまでに見たことがない独創的なもので、久しぶりにワクワクした気持ちでアニメを見ました。

大人が楽しめるアニメ

『紅き大魚の伝説』は、中国神話や戦国時代の思想家・荘子の「逍遙遊(しょうゆうゆう)」という文章の中に記された「北冥に魚あり、其の名を鯤と為す」という物語を起源としています。
設定もやや複雑なため、どちらかと言えば知識のある大人の方が楽しめる作品です。

泣ける

『俺は風と雨になってお前のそばにいるよ。また会おう。』

チウは、自分を兄のようにしか思っておらず、抱きしめることすら出来ない相手のために何のためらいもなく自分の命を捧げます。
最後の夜、チュンに背中を向けてむせび泣くチウを見て私も涙が止まりませんでした。

自分の命を助けてくれたクンには禁忌を冒してまで償おうとするのに、何も知らないとは言え、チウには「ありがとう」しか言わないのはなんだか釈然としないものがありました。チュンがもう少し共感出来る正確ならいう事なしだったのに…。

魅力的な登場人物たち

チュンとチウ、そして魚(イルカ)になったクンを中心にストーリーが進むのですが、時折出てくる他の登場人物もバラエティに富んでいて、非常に魅力的でした。

赤松子(雨を司る)、祝融(火を司る)、嫘祖(養蚕を司る)などの中国神話に出てくる仙人や、全身が毛に覆われた毛人(もうじん)など、もっとよく知りたいと思わせる登場人物ばかりでした。

エンドロールは最後まで見て

エンドロールが始まっても残り時間が10分以上あったのであれ?と思ったら、残り7分のところでまた映像が始まって驚きました。
短いシーンですが、物語の印象を左右するような内容なので油断せずにしっかりと最後まで見てください。

まとめ

映画「紅き大魚の伝説」は、ジブリ作品や中華ファンタジーが好きな方ならぜひ見て欲しいオススメ作品です。